夏に流行する感染症~手足口病

小児科

夏が近づいてきました。おそらくは自粛や休校も徐々に解除されていき、コロナウイルス以外の夏の感染症も心配になります。

今日は手足口病のお話です。手足口病は子育て世代のご両親であればよく知っていると思います。

大人がかかるとかなり辛いです。僕自身が大人になってから罹ったのですが、口内炎だらけで一週間くらいまともに食事がとれなくなりました。

本記事の内容

・手足口病の概要
・原因
・症状
・検査・診断
・治療
・予防・治療後(登園・登校の目安)

手足口病の概要

手足口病のピークは夏

手足口病は、6~8月にかけて流行のピークがみられますが、秋から冬にかけてもみられることがあります。数年おきに大きな流行がみられ、過去にも90年、95年と大流行があり、2000年にも比較的大きな流行が起こりました。

5歳未満の子どもがかかりやすい

感染者のほとんどが小児で、5歳未満が80%以上を占めています。しかし、学童期にもみられ、大人の間で流行することがあります。

手足口病の原因

手足口病はウイルスに感染することが原因で発症します。原因となるウイルスはさまざまですが、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが多いです。これらのウイルスはノンエンベロープウイルスともいわれており、アルコール消毒剤や熱に強いウイルスです。

エンテロウイルスはエンテロ(エンテロというのは腸管という意味です)というだけあって、腸の中で増えるウイルスです。糞便感染で2-4週間ほどウイルスが排出され続きます。

手足口病の原因となるウイルスは複数ですので、一度手足口病にかかっても、別の種類のウイルスが原因となって、再び手足口病になることがあります。

一度感染したウイルスに対しては、免疫を獲得するため、同じ種類のウイルスが原因で手足口病になることはないと言われております。

感染経路

主な感染経路は3つあります。

飛沫感染

感染している人のくしゃみや咳とともに、空気中に飛び出したウイルスを吸い込むことにより感染します。

接触感染

感染者が触れたドアノブやスイッチに接触し、さらにその手で口や鼻を触ることにより体内にウイルスを取り込んでしまいます。

経口感染

感染者の乾燥した便の粒子を吸い込んでしまったり、おむつを取り替えた後に十分に手を洗わないまま顔を触ってしまったりすることで感染する経口感染である。

手足口の症状

3~6日間の潜伏期の後に、口の中や手のひら、足の裏に赤い発疹ができる。水膨れのような発疹で、大きさは数ミリ程度です。

手足口に限らず、手の甲や足の甲、指の間、膝、肘やお尻にできることもあります。また、38℃以下の微熱が出ることもあります。

水ぼうそうとは違って、発疹はかさぶたにはならずに1週間程度でなくなります。口の中にできた口内炎がひどく、痛みを伴うため、食事や水分を取りたがらなくなります。

症状が出た最初の週の感染力が最も強く、回復後も飛沫や鼻汁からは1~2週間、便からは数週~数か月間、ウイルスが排出されます。

コクサッキーウイルスA6による手足口病では、体幹や臀部、頭にも水疱ができ痂皮化します。治癒一ヶ月後に爪が剥がれてくることもあります。

大人がかかると症状は重め

子どもよりも大人のほうが、症状が重く出やすいです。
まず、発疹の痛みは大人のほうが強く出ます。足裏などにひどく出ると歩けないほどになります。全身倦怠感、悪寒、関節痛、筋肉痛などの症状が出ることもあります。

重症化

少数ながら重症化し、無菌性髄膜炎、脳炎、心筋炎など重篤な合併症が起こることがあります。意識障害やぐったりしている場合には注意が必要です。

検査・診断

基本的には、症状の目で見て診断を行います。診断に検査は必須ではなく、症状と流行状況から考えて実施します。インフルエンザウイルスのような迅速検査はありません。

治療

一般的には、症状の軽い病気です。様子を見ながら経過観察をします。有効な治療薬はありませんが、自然によくなることがほとんどです。

発疹に痛みや痒みを伴うなど症状が強い場合は、抗ヒスタミン薬の塗り薬を使用するなど対症療法をします。また、口内炎などの痛みが強い場合は、鎮痛剤や軟膏で対応します。

予防・治療後(登園・登校の目安)

ワクチンはありません。身の回りの感染経路を考えた対策をしてください。こまめな手洗い、症状のある方はマスクをつける、感染者とタオルを共用しない、食器やテーブル、おもちゃを消毒します。エンテロウイルスはアルコール消毒に耐性ですので、次亜塩素酸を使用してください。

症状がなくなってからも数週間は便の中にウイルスが存在します。おむつの取り扱いに気を付けてください。

登園・登校の目安

手足口病には、国による「何日間休まなければならない」といった出席停止期間の基準はありません。厚生労働省が定める「保育所における感染症対策ガイドライン」では、登園のめやすとして、「発熱や口腔内の水疱ほう・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」を挙げられています。

発熱やのどの痛み、下痢がみられる場合や食べ物が食べられない場合には登園を控えてもらい、本人の全身状態が安定してから登園を再開します。

ただし、登園を再開した後も、排便後やおむつ交換後の手洗いを徹底することで感染拡大を防ぎます。

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